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2016年10月25日火曜日

[JOBS:学生向け]ツール開発・デジタル小道具のお話

今日は普段中々目に触れることの少ない"ツール開発"の仕事について。

応募要項にある"ツール開発"って?実際ツール開発とは作品の裏側でどんな役割をもって活動しているのか―、その一端を紹介します。

私達の作業の多くはコンピュータ上で行われますから、当然扱うものはデータになります。作品で必要なモデルデータ、アニメーション、エフェクトやエフェクトにまつわるキャッシュデータ、それらをレンダリングした中間ファイルの群から、撮影(コンポジット)のプロジェクトファイル等、各ファイルのバージョンまで含めるとそれらは非常に多岐に及び、独立したファイルとして作業サーバーに格納されています。
加えて、作品毎、シリーズならエピソード毎、更にカット毎、作業グループ(3Dエフェクトなのかモデリングなのか)毎にもファイルが発生します。文字にするだけでもややこしいですね。

そんな中で発生しがちな問題としては
「どのファイルが最新か分からない/間違えてしまう」
「誰が作業したファイルか分からない(問題発生時のチェック先が分からない)」
「ディレクトリが深すぎて当該ファイルに到達するのに時間がかかる」

等など、映像制作以外でも、ファイルがあちこちに散乱して収拾がつかなくなる、そんな覚えがあるんじゃないでしょうか。
カチカチ、カチカチ、カチカチ、えーと…....あったぞ!こういった[クリックしてフォルダを移動、ファイルを探す、開く&保存する]など、一連の"儀式"はどの工程に於いてもついてまわる非常に重要な作業で、弊社チームスタッフ達も来る日も来る日もマウスクリックの速度を上げるべく、社内で競い合いつつ机にかじりついては昼夜問わず…ではなく:D

私達のミッションは「良質な映像作品の制作」です。チームの主目的である映像制作に関係のない作業は自動化して、作業者の時間を目の前のカットに集中させるべきです。
そこで、「デジタル小道具」の出番となります。 以下はその一例―、

コンポジット作業のプロジェクト作成ツール BASEMAN
新規ファイルを作成▶必要なファイルをサーバから集めて読み込み▶基礎コンポジットを終える(プログラムが理解できる作業は全て事前に終えて作業者に渡す)▶適切なディレクトリに正しいファイル名で保存する▶バックアップファイルを作成する
↑というのが主な機能紹介。立ち上げ時の状況に合わせて何パターンかのサブ機能も搭載されています。ともあれ、上記あげた一連の作業が一つのクリックをトリガーにして完了。これにより作業画面から離れずして(この場合はAfterEffects)、煩わしいウィンドウを手繰る手間から開放されますね。勿論、人為的なミスも決して起こりません。
その分映像に集中したり、ときにはコーヒーを飲んだり、作品の為に過ごせばいい。ufotable内で稼働しているツール群にはそんな意図が込められています。

上記ツール開発と同じスタッフが制作した"小川"のCG。
ツール開発者が映像制作にも参加することで作業者の機微を反映した高精度のツールが生まれます。
このような作業のクロスオーバーは頻繁に行われています。

改めて、ほんの一例なのですが、ちょっとした考え方や、実際のツールのご紹介でした。弊社といわず、何かのきっかけ、参考になれば幸いです。開発言語としては
  • Python
  • Java Script
  • 3dsmax Script
このあたりが中心的です。デジタルツールはアニメーションCG制作のこれからの開拓分野ですから、日々技術と向き合う学びとアウトプットの日々になるでしょう。プログラムを通した現場のサポートから映像制作まで、幅広く関わっていくことに興味を持つ方がいれば、ご一報戴けますと幸いです。

こちらも併せてどうぞ。
デジタル映像部より

2016年10月20日木曜日

学生・及び就職希望の皆様へ:意見交換会2016秋

http://ufotable.com/recruit/recruit/?article_id=d_satsuei

デジタル映像部・2016年、秋の公募がスタートしました。際して、久しぶりに、スタジオ発の
「意見交換会」なるものを設けておりますので、補足も兼ねてご紹介させて下さい。今回にかぎらず、また続けていきますから、 次回・次々回に興味を持った方の目に触れることも想定しつつお話します。

まずは概要。日付は11月7日、場所は高円寺にある弊社のカフェ・ufotableCafe東京、時間は追ってメール頂いた希望者へ共有となります。内容としては、基本的には弊社デジタル映像部の職務紹介から、ufotableの雰囲気が伝わる会…になればと用意しております。所要時間は1時間程度。

CG全般がそうであるともいえますが、世界のCG技術の変革はめざましく―その中で、弊社デジタル映像部のような2Dアニメーション制作におけるモデリングからアニメーション・エフェクト・コンポジットまでの作業を統合したワークフローを持ったセクションというのものか?他のチームとのやり取りは?どの分野の技術を扱い、どのくらい作品にコミットしているのか?何が面白くて、何が大変なのか―??等等、外から内部の"実感"をうかがい知る事は少し難しくなっているんじゃないかと、都度感じる事があり、開催に至りました。

通常の説明会と異なるのは、ちょっと僕達からも話を聞いてみたい、という気もちを持っている所ですね。意見を出すというのは不慣れな事も多いでしょうから、無理をすることはないですよ。でも、興味はありますから、よければ皆さんについて教えていただけると嬉しいです。


仕事や勿論就職活動も、互いにフェアな状態を保つ事がうまくいく秘訣だと考えます。うまくいく、とは相互にハッピーな状態を作ること。採用側が偉い訳ではないし、採用の選択の自由と同じくらい、採用される側にも自由がある訳ですから、選びたいし、選んだ人にも選ばれたい。僕達自身も制作の隙間を縫って用意する時間なので、そこは要望と共に、ご一緒させていただきますね。

改め、場所はufotableCafe。店舗スタッフから休日の場をお借りする形ですので美味しいご飯などをご用意することは当日はできません^^。それでも、のんびりとフランクにお話する場となればいいなと思っています。
色々書きましたが、お気軽にどうぞ。
( jinji@ufotable.com までその旨記載の上コンタクト下さい。)
宜しくお願い致します:)


デジタル映像部

チームの採用情報・意見交換会の情報はこちらから

2016年10月15日土曜日

大切にしていること〜テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス第一期を終えて


テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス第一期の最初の開演から、2週間が過ぎました。毎週、スタッフ達とオンエアをスタジオで並んで見ていたのが随分昔のようです。実際にはほんのすこし前ですが…制作中というのは夢のような日々で、あっという間に遠くへ行ってしまいます。

今、スタジオで様々なプロジェクトのことを(勿論 テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロスの次の戦いのことも)考えつつ、ここしばらくを振り返っていました。プロダクション開始後、現在まででほぼ一年余り関わっているプロジェクトとなります。チーフスタッフも皆、よくやってくれたと思います。

それで以下は、僕達がレンダリングしたデータの一部。

総カット数: 4329 カット
データサイズ: 4610 GB
最終レンダリングフレーム: 4610000フレーム

数字が大きくて、きっとイメージが難しいですよね。フレーム数に至っては、460万フレーム余り。実際には1カットにつきチェック用や納品用など何種類かのファイルがテイク数の数だけ存在しますから、更に何倍かあったことでしょう…(バックアップ・ドライブを見ればもっと分かりそうですが、割愛!)。気が遠くなりますが…これが歩いてきた道です。
ただそれが面白いことに、自分達で歩いてきた道なので、適当にデータを開いても、1フレーム、きちんと思い出があって。一つ一つ、フレームを覗いては直してきたんだなと、感慨深くもあります。

またデータにはなっていない数字で、クリック数も本来は面白い指標です。例えるなら鉛筆のタッチ、1筆のようなものでしょうか。チーム内ではクリック数にこだわって、(1クリックでも少なくオペレーションを行う!)速度を確保しようとする流れもありますが、これは単なる省力化ではなく、1カットに対して何クリックでゴールするか…尺アタリの作業コストにつながるということです。つまり、クリック=選択コストを減らして作業速度を引き上げることで更なるブラッシュアップの為の時間を創ろう = もっとエネルギーを注いで映像の熱を上げていこうという意思の一つの形、であったりもします。

勿論その以前に…フレームの元となっている絵には1枚づつに込められた作画スタッフ達・ひいては設計図たる"コンテマン"、もっと遡ってその根っこになる"脚本"まで…更には…と考えていくと、本当に、途轍もない、作品、ひいては携わる人・支える人のエネルギーを感じます。それは監督であったり、原画であったり、動画であったり、勿論音響も―各セクションの人々が練り上げた想いの塊です。

それを、届ける。

毎作・もう目一杯、限界まで力を出し切ろうとする150名超を抱えるスタジオが
観客皆さんに伝わるレベルまで分かりやすい、更なる品質・更なる面白さを探っていく―この、関わる人の熱を伝えるには半端なエネルギーでは到底事足りない。

以下のテスト画像。複雑な崩壊▶巻き上げの力場を設定しています。
これは只の技術で、作品の届けたいもの、本懐ではありません。
破壊された岩石が竜巻に飲まれるフォースの流れをテストしている所。
 竜巻中心からの距離に従って地面の破壊や巻き上げられる速度が変化する。
こちらは#00より。テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロスの世界に起きている、
異常な天変地異の光景。人の手では抗えない、恐るべき災厄のワンシーン。
#00 より。
#00 開始時、弊社代表の近藤に「何か熱を感じるものになれば」と、この一連のシーンについてオーダーを受けた覚えがあります。

技術に熱はありません。
でも、届ける映像には宿っていなくてはならない。

その間にあるものが、僕達の大事にしているものです。
(実はそんなことを考えながら、今BDBOXufotable特典「テクニカルワークス-映像の裏側-」の事を考え始めています。ご紹介はいずれ…ですが、観ていただきたいものがたくさんありますから、宜しければお手に取り下さい。)

自動化が進みCG表現が身近になった今でも、作業の高度化は反比例するように高まっています。未踏の表現を模索して難解なカット達に向かって知恵を出し合い、4329カットを作り切ったスタッフ達がいます。
作品は作品として楽しんでいただきたい。
でも、もうちょっと興味が湧いてきたら、映像の裏側…として、こんな人々が各々の技能でもって、作品に熱を与えようとしているんだと、そういう存在を感じるところも含めて、エンターテイメントの一助となれば幸いです。
そういう風にこのブログ自身も機能していてくれたらと、書いています。

とりとめのないテキストになってしまいましたが、そんな仲間たちと、またこれから
2017年、セカンドシーズンです(皆さんのご存知であろう他タイトルもしっかり準備中・・・ですが、本稿ではあくまでテイルズオブゼスティリアについてお話しさせていただきます。)。もっともっと、やりたいことも、やれることもありますから、挑戦の日々は再び、です。頑張らなくては、ですね。

改めて、ご覧いただきありがとうございました。

デジタル映像部 寺尾

ps
徳島マチアソビvol.17 にて急遽イベント出演させていただきました。
たくさんのイベントの中からご一緒してくださった皆さん、どうもありがとうございました。

2016年7月19日火曜日

vsハーディング

まず、『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』無事、開演を迎える事が出来ました。日々の各地の放映を楽しんでもらえているとスタッフ一同、嬉しいです。

今回はハーディングとの戦いについて。

以前、黄金の光という投稿テキストの中で、Fate/stay night[Unlimited Blade Works] オンエアに纏わる光の表現の制約<パカチェック>について書きました。
TV放映では安全な試聴体験を確保する為に、どんな番組であれ、オンエア前の映像を必ずパカチェッカーという検出装置にかけるきまりになっています。その 機械で自動的に「ガイドライン」に会う明度彩度の変化が検知されると、フレームをダブらせたり、暗くしたりして"視覚刺激"を抑える…というのが基本的な 流れ。
このことを私達の現場的にはハーディング、といいます。 グラハム・ハーディング教授が考案したということで、そういった名前になっているそうです。このチェック(パカパカチェック=ハーディングチェック)に引っかかると、画面全体が輝度落ちした状態となり、実際にはメリハリの薄い、不自然で暗い画面になってしまいます。 アニメーションを見ていて「暗い?」と違和感を感じる事があれば、このハーディングによるものかも知れませんね。
そして当然ながら、ハーディングは僕達は望むものではなく、オリジナルの映像で物語を伝えていきたい。ですから、ハーディングチェックにかかるのは現場の意図外の状況となります。


結論からお伝えしますと『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』ではこのハーディングチェックに抵触したカットについて、
  • 放映(オンエア)専用のバージョン
  • Blu-ray Disc収録専用のバージョン
二種を用意することで、最大限「暗くなる」オンエアを回避してます。


例えばこちら。ハーディング対策済みのフレームですが、一見どこがおかしいのか、わかりませんね。

オープニングより、エドナの天響術



次にオリジナルフッテージのご紹介です。
天響術は"黄色い光"のエフェクトにより表現
Blu-ray Discに収録のオリジナルフレームをご覧になった方は、こういった輝度の高いショットの表現が異なっている事に気がつくはずです。もっと分かりやすい比較でご紹介します。



(左から)通常のハーディング対応 / ufotableオンエア専用フレーム / BD収録のオリジナルフレーム


Blu-ray Disc収録のオリジナルフレームでは、地属性のエドナのエフェクトはゲーム本編に習い、あくまで光として表現しています。そして放映verではハーディングチェックに抵触する部分のみ限定して輝度調整を行った上、ハーディング抵触部に色つけして粉塵エフェクトのようにも見える表現としています。この放送用のバージョン作成は撮影セクションで行う事もあるし、編集チームとの素材のやり取りの中で合わせ技として、編集スタッフが独自に作成したバージョンもオンエアでは使用されることもあります。人間の目にはわかりくい差もハーディングチェックでは引っかかってしまうので、その都度対応を確認…という事でどのエピソードでも裏側の調整はかなりの作業量になっています。

中にはオンエア用に根本から表現を変えたショットも。ノルミンのシールドエフェクト表現。


こうやって、普段は行わないような細部まで、撮影/編集 共にテイルズ オブ ゼスティリア ザ クロスのオンエアを盛り上げるべくハーディングとスタッフ一同、日々戦いです。

Blu-ray Discでは放映後更なる画質最適化(不自然なノイズやマッハバンドとよばれるグラデーショントラブルの最適化)をデジタルチームで行った上で高いビットレートでエンコードされた、ほぼ無劣化といえる映像が収録されています。商業的な意味ではなく、現場の映像制作スタッフの一員として、ベストな媒体で映像をご覧いただければと望んでいます。

今回は少し技術よりの、放映の裏側についてお話でした。
それでは、また!


デジタル映像部

Link
テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス 作品公式サイト 
ufotable版 Blu-ray Disc Box 受注特設サイト

2016年7月2日土曜日

開演前夜




テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』 が放映開始となります。
現場的には、発表から始まり瞬く間のような開演前夜。

僕としてはFate/stay night [UBW]からの一年ぶりのTVシリーズの撮影監督となり、チーム内では初期からのテイルズシリーズをほぼプレイ済みのスタッフもいたりで―作品を最高のパフォーマンスでお届けすべく、ここ数ヶ月は作業に集中しています。
スタッフ達もオンエアをTVの前で過ごすのかな。
これからの皆さんも、どうか御覧いただければ幸いです。

7月3日―23時より封切り開幕。

導師の旅路はゼスティリアを越える―。です。
宜しくお願い致します。

寺尾

2016年4月7日木曜日

15周年を映像と共に語る、ご来場へ感謝を。


ufotable15周年展、無事閉場致しました。期間中ご来場下さった皆さん、足を運んでくださり嬉しく思います。ありがとうございました。

合わせて最終日となる4/3に、会場のあるUDX、そのシアターのリニューアル記念第一弾のイベントとして「ufotable15周年を映像とともに語る」が開催され、作品に共通するスタッフとしてFate/Zero美術監督の衛藤、それに弊社テイルズシリーズの監督である外崎・制作の高中と共に寺尾も撮影監督として参加させていただきました。
高中は普段なら代表の近藤が務める事の多い司会役に挑戦―何と、秋葉原には三時間前に到着していたとのこと!

開演前・リハ中の高中君
トークショーの中身は当日ご一緒させていただいた皆さんとの共有として割愛させていただくとして、立派なスクリーンでの映像上映―【劇場版 空の境界】で出会い、一緒に戦ってきた衛藤さん。僕が映像を勉強し始めた頃、既に一線で活躍されていた外崎さん、それに高中君。15周年ということで、ぞれぞれのスタジオとの出会いといった普段出来ない話もご一緒出来たり―、最後は時間も押してしまいましたね。

素敵な時間を過ごさせて頂きました。
お越しくださった皆さん、重ねてありがとうございました。

夏です。
そして、兎にも角にも『Tales of Zestiria the X』。
デジタル映像部としても、これまで以上にたくさんの挑戦が詰め込まれた作品となっております。

最新情報は
ufotable@twitter
TOZtheX@twitter
より。

どうか楽しみに、夏をお待ち下さい。

寺尾

2016年2月20日土曜日

近況など

あけましておめでとうございます。
もう2月ですね^^

中々更新の機を確保出来ず、日々慌ただしく過ごしております。
お知らせとして、昨日公開とこぎつけました映像をご紹介します。
空の境界✕Fate/Grand OrderコラボレーションCM
の制作をufotableにて行い、デジタル作業も弊社チームにて担当致しました。



未来福音以降、久々の式です。
楽しみつつ、これまで以上にと奮起して参戦しております。

また特別映像として、本CMのいくつかのバックグラウンドを収録した"Animation Material"を制作しました。こちらは劇場版「空の境界」より俯瞰風景3Dを弊社にてご購入の方にお届け出来るようです。3月23日発売。

ゲーム共々、楽しんで頂ければ幸いに思います。

スタッフの公募も春先に向け動いております。
学生の皆様はご準備のほど、宜しくお願いします。

それでは、また。
寺尾

2015年10月6日火曜日

[UBW] BDBOXⅡ 特典ポストカードに寄稿しました。


いよいよ、明日は発売日。
一点づつ、署名させていただきました。
(BOXご紹介ページ)

本編・特典、併せてお愉しみ頂ければ!


撮影監督 寺尾