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2016年7月19日火曜日

vsハーディング

まず、『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』無事、開演を迎える事が出来ました。日々の各地の放映を楽しんでもらえているとスタッフ一同、嬉しいです。

今回はハーディングとの戦いについて。

以前、黄金の光という投稿テキストの中で、Fate/stay night[Unlimited Blade Works] オンエアに纏わる光の表現の制約<パカチェック>について書きました。
TV放映では安全な試聴体験を確保する為に、どんな番組であれ、オンエア前の映像を必ずパカチェッカーという検出装置にかけるきまりになっています。その 機械で自動的に「ガイドライン」に会う明度彩度の変化が検知されると、フレームをダブらせたり、暗くしたりして"視覚刺激"を抑える…というのが基本的な 流れ。
このことを私達の現場的にはハーディング、といいます。 グラハム・ハーディング教授が考案したということで、そういった名前になっているそうです。このチェック(パカパカチェック=ハーディングチェック)に引っかかると、画面全体が輝度落ちした状態となり、実際にはメリハリの薄い、不自然で暗い画面になってしまいます。 アニメーションを見ていて「暗い?」と違和感を感じる事があれば、このハーディングによるものかも知れませんね。
そして当然ながら、ハーディングは僕達は望むものではなく、オリジナルの映像で物語を伝えていきたい。ですから、ハーディングチェックにかかるのは現場の意図外の状況となります。


結論からお伝えしますと『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』ではこのハーディングチェックに抵触したカットについて、
  • 放映(オンエア)専用のバージョン
  • Blu-ray Disc収録専用のバージョン
二種を用意することで、最大限「暗くなる」オンエアを回避してます。


例えばこちら。ハーディング対策済みのフレームですが、一見どこがおかしいのか、わかりませんね。

オープニングより、エドナの天響術



次にオリジナルフッテージのご紹介です。
天響術は"黄色い光"のエフェクトにより表現
Blu-ray Discに収録のオリジナルフレームをご覧になった方は、こういった輝度の高いショットの表現が異なっている事に気がつくはずです。もっと分かりやすい比較でご紹介します。



(左から)通常のハーディング対応 / ufotableオンエア専用フレーム / BD収録のオリジナルフレーム


Blu-ray Disc収録のオリジナルフレームでは、地属性のエドナのエフェクトはゲーム本編に習い、あくまで光として表現しています。そして放映verではハーディングチェックに抵触する部分のみ限定して輝度調整を行った上、ハーディング抵触部に色つけして粉塵エフェクトのようにも見える表現としています。この放送用のバージョン作成は撮影セクションで行う事もあるし、編集チームとの素材のやり取りの中で合わせ技として、編集スタッフが独自に作成したバージョンもオンエアでは使用されることもあります。人間の目にはわかりくい差もハーディングチェックでは引っかかってしまうので、その都度対応を確認…という事でどのエピソードでも裏側の調整はかなりの作業量になっています。

中にはオンエア用に根本から表現を変えたショットも。ノルミンのシールドエフェクト表現。


こうやって、普段は行わないような細部まで、撮影/編集 共にテイルズ オブ ゼスティリア ザ クロスのオンエアを盛り上げるべくハーディングとスタッフ一同、日々戦いです。

Blu-ray Discでは放映後更なる画質最適化(不自然なノイズやマッハバンドとよばれるグラデーショントラブルの最適化)をデジタルチームで行った上で高いビットレートでエンコードされた、ほぼ無劣化といえる映像が収録されています。商業的な意味ではなく、現場の映像制作スタッフの一員として、ベストな媒体で映像をご覧いただければと望んでいます。

今回は少し技術よりの、放映の裏側についてお話でした。
それでは、また!


デジタル映像部

Link
テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス 作品公式サイト 
ufotable版 Blu-ray Disc Box 受注特設サイト

2016年7月2日土曜日

開演前夜




テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』 が放映開始となります。
現場的には、発表から始まり瞬く間のような開演前夜。

僕としてはFate/stay night [UBW]からの一年ぶりのTVシリーズの撮影監督となり、チーム内では初期からのテイルズシリーズをほぼプレイ済みのスタッフもいたりで―作品を最高のパフォーマンスでお届けすべく、ここ数ヶ月は作業に集中しています。
スタッフ達もオンエアをTVの前で過ごすのかな。
これからの皆さんも、どうか御覧いただければ幸いです。

7月3日―23時より封切り開幕。

導師の旅路はゼスティリアを越える―。です。
宜しくお願い致します。

寺尾

2016年4月7日木曜日

15周年を映像と共に語る、ご来場へ感謝を。


ufotable15周年展、無事閉場致しました。期間中ご来場下さった皆さん、足を運んでくださり嬉しく思います。ありがとうございました。

合わせて最終日となる4/3に、会場のあるUDX、そのシアターのリニューアル記念第一弾のイベントとして「ufotable15周年を映像とともに語る」が開催され、作品に共通するスタッフとしてFate/Zero美術監督の衛藤、それに弊社テイルズシリーズの監督である外崎・制作の高中と共に寺尾も撮影監督として参加させていただきました。
高中は普段なら代表の近藤が務める事の多い司会役に挑戦―何と、秋葉原には三時間前に到着していたとのこと!

開演前・リハ中の高中君
トークショーの中身は当日ご一緒させていただいた皆さんとの共有として割愛させていただくとして、立派なスクリーンでの映像上映―【劇場版 空の境界】で出会い、一緒に戦ってきた衛藤さん。僕が映像を勉強し始めた頃、既に一線で活躍されていた外崎さん、それに高中君。15周年ということで、ぞれぞれのスタジオとの出会いといった普段出来ない話もご一緒出来たり―、最後は時間も押してしまいましたね。

素敵な時間を過ごさせて頂きました。
お越しくださった皆さん、重ねてありがとうございました。

夏です。
そして、兎にも角にも『Tales of Zestiria the X』。
デジタル映像部としても、これまで以上にたくさんの挑戦が詰め込まれた作品となっております。

最新情報は
ufotable@twitter
TOZtheX@twitter
より。

どうか楽しみに、夏をお待ち下さい。

寺尾

2016年2月20日土曜日

近況など

あけましておめでとうございます。
もう2月ですね^^

中々更新の機を確保出来ず、日々慌ただしく過ごしております。
お知らせとして、昨日公開とこぎつけました映像をご紹介します。
空の境界✕Fate/Grand OrderコラボレーションCM
の制作をufotableにて行い、デジタル作業も弊社チームにて担当致しました。



未来福音以降、久々の式です。
楽しみつつ、これまで以上にと奮起して参戦しております。

また特別映像として、本CMのいくつかのバックグラウンドを収録した"Animation Material"を制作しました。こちらは劇場版「空の境界」より俯瞰風景3Dを弊社にてご購入の方にお届け出来るようです。3月23日発売。

ゲーム共々、楽しんで頂ければ幸いに思います。

スタッフの公募も春先に向け動いております。
学生の皆様はご準備のほど、宜しくお願いします。

それでは、また。
寺尾

2015年10月6日火曜日

[UBW] BDBOXⅡ 特典ポストカードに寄稿しました。


いよいよ、明日は発売日。
一点づつ、署名させていただきました。
(BOXご紹介ページ)

本編・特典、併せてお愉しみ頂ければ!


撮影監督 寺尾

2015年4月19日日曜日

[スタッフ公募]2015SSがスタートします。



以上の条件で、本年度もスタッフ公募を行います。
同情報を週明けにも公式サイトに掲載予定です。



ご応募、お待ちしております。
今年も楽しみです。

デジタル映像部

2015年3月10日火曜日

[JOBS]AnimeJapanでufotableスタッフを募集します。


こんにちわ。
求人関係、続けてお知らせです。

3月21日、22日に東京で開催されるアニメジャパンにて、
ufotableデジタル映像部へ参加したい方に向け、
面談の場を設けることになりました。


募集職種:デジタルアーティスト(コンポジット/3DCG)
面接日:22日のみ(事前申し込みが必要です。)
業務概要:3Dアニメーション、モデリング、エフェクト、コンポジットなど各スタッフがコンピュータを扱い、得意の分野でアニメーション制作に関わります。
使用ツール:3dsmax、AfterEffects、Maya
募集人数:数名
当日の持ち物:
 ・履歴書
 ・ポートフォリオ
 (動画の持ち込みはmp4などMacでデータ再生出来る形態でお持ち下さい)

詳細は以下のURLを。


他のチームも募集を行います。
ご興味のある方は、宜しければ。

デジタル映像部

2015年3月7日土曜日

10年の向こう側―春以降のスタッフ公募について

こんばんわ。

春ももうすぐ…でしょうか。
日々の積み重ねが世に出る時期になってきました。
今月はぷちアソビにアニメジャパン/Fate/stay night[UBW] 2ndシーズン特別先行上映と、イベントが続きますね。併せて様々な情報をお届け出来るのではないかと。
どうか、楽しみにお待ち頂ければと思います:)


さて―今も作業の最中で、気分転換にと手を止めました。
2015年の採用について少し思い浮かんだ事を書いてみます。

現在アニメーション映像は技術的に見て、エキサイティングな状況がつづいています。コンピュータ映像全体にしても、年々より早い速度で技術は開拓が進んでいるようです。これまでは複雑なノウハウや特殊なソフトウェアが必要だった表現が、一般的な機材の組み合わせで、実現出来る環境に手が届く。このちょっとした驚きの積み重ねは、学生含め、映像制作に身をおく方なら誰しも感じ入る所でしょう。

スタジオワークも自然、変化します。様々な事が出来るようなったということは、より高みを目指す事が出来るようになったということ、その分挑戦的な仕事が増してきたのではないでしょうか。技術的な基礎を抑えた仕事は勿論ながら、アーティスト個人の人生経験や情熱から生まれた成果が、映像を良い方向に導くケースが目立ちはじめています。

どうやって表現しようか…頭を悩ませていた日々から
どんな絵を作ろうか、何を観客の皆さんに届けようか!
これなら喜ぶだろうか、役に立つだろうか…?
と、
ちょっとづつ、そういった検証にリソースを増やせるようになってきました。
勿論、すぐに環境が入れ替わるわけではないので、本当にちょっとづつですけれど:)
よい時代になりつつあると思います。


A Computer Animated Hand (wikipedia)

この画像は世界で初めて映画(『Futureworld』という映画)に使われたCG映像の一部。作成は1972年と言われていますが、およそ40年前の出来事です。

GUIのある3Dソフトウェアなどない時代―、
表現すること、技術的な制約をクリアすることにどれだけの困難があったか。
知識やエネルギーを注ぎ込んで作った、この短い映像は実際に歴史的な一歩でした。

そして2015年となり、同じ事をもっとシンプルな手続きで表現出来る環境が、
この時代に生きる、僕達にはあります。
かつて、技術的難題に立ち向かったエネルギーは
今はどこに向かっているのでしょうか。
これからの10年でどう変わるでしょう?

100年後は?

先の映像を制作した左手の主―エド・キャットムルという方でいえば、
ご存知の方も多いであろう、現Pixar社の社長を務めています。
当時アウトプットしたものは今でこそ陳腐にも思えるかも知れませんが
制作の背後にあった…いわば魂の様なものは、今でも時代を牽引する力となっています。
変わるものもあれば、変わらないものもある、ということだと思います。

学生の皆さんにおいては、仕事につく、見つける、
ということにフォーカスし過ぎることもあるかも知れません。
そんなときはちょっとリラックスして、
まずは自分が夢中になれる事を探してみてください。

自身の意欲の根っこの部分が見つかって、それを周りに伝えられるようになったら
自然、声をかけずとも、僕達は引き合えるものだと考えています。
作品のちから、映像のちから、ってそういうものなんじゃないかなと。
その為にも、どうか日々の制作に邁進して下さい。


近く、スタッフ公募を行います。
毎年の事になりますが、共に歩む、新しい仲間に会える日を楽しみにしています。
もうしばらく、お待ち下さいませ。


デジタル映像部 寺尾